【富士山】初めて富士登山はご来光ツアーではなく日帰りにすべき4つの理由
【富士山】初めての富士登山はご来光ツアーではなく日帰りにすべき4つの理由
2013年に世界文化遺産に登録された日本一の山、富士山。
観るものを圧倒するその荘厳な景観に日本人であれば一度は登ってみたいと思うのはごくごく普通のことと言えます。
世界遺産に登録される前年までに13回登頂した私の経験則からの初心者の方への提言です。
富士登山はご来光を拝みたいと思っている方が多いと思いますが夜間帯の登山は登山初心者や体力に不安がある方にはより心身への負担が大きいです。
富士登山は日帰りにするべき5つの理由
■目次
その1・本来登山は明るい時間に行うべき
基本的に登山は明るい時間(朝から夕方まで)に行うものです。
なぜなら明るい時間の方が視界が開けて足元を確認したり何をするにも動作がしやすく周りの状況を判断しやすくなります。
富士山は5合目付近に辛うじて緑があるくらいで登り始めてすぐに周りを遮るものがなくなり明るい時間帯は道中の景色を眺めながら登っていけるので登頂までの間に様々な山の表情を見られるというメリットもあります。
その2・真夏でも富士山山頂付近の夜間は0度くらいまで気温が下がる
富士山の場合、一般の登山は7月の山開きから8月下旬の山仕舞いまでの期間となります。(山開きから山仕舞いまでは毎年残雪状況などによって変わります)
この真夏の山開きシーズンであっても深夜の時間帯だと山頂付近では気温0度くらいまで下がります。
一般的に標高が1000m上がると気温が6度下がります。例えば東京の深夜の時間帯に熱帯夜で気温が25度くらいあるとして6度×3.778=22度下がるということになります。
日本の真冬の日が暮れた時間帯に気温3度の屋外でどれだけの時間いられますか?ということです。
その3・山小屋は雑魚寝のすし詰め状態
富士山の登山シーズンは2カ月程度しかなく、その間日本全国の登山客や外国人観光客が大挙して押し寄せます。
平日ならまだしも週末やお盆は登山客が集中するので特にご来光ツアーの時間帯は山小屋での仮眠時間はすし詰め状態の雑魚寝でそれまでの8合目辺りまでの登山で体力消耗しているにもかかわらず寝付けないまま深夜に山小屋出発となります。
本来なら人が寝る時間帯に過酷な状況下で登山を再び始めるわけです。
その4・山頂付近は行列渋滞する
さらにはご来光を目指して多くの登山客が深夜帯に山頂を目指すので、中には高山病や疲労などでツアーのペースに付いていけずに座り込んでしまったりする人がいたりするのでその結果、行列渋滞が起こります。
防寒着を着た上で体を動かしていられればまだ良いのですが、体力消耗している状態で夜中に0度近い気温の中、進まない状況をじっと耐えなければなりません。
渋滞にハマって山頂でご来光を迎えられなかったという話もよく聞きます。
以上の観点から特に初心者の方は早朝から登山を開始するのが快適に登頂できる最善の道だと思います。
山頂からご来光を拝めるのも素晴らしいことでしょうが元気な状態でないと感動も半減してしまうでしょうし、登山開始から下山まで景色を楽しめる日中の登山は富士登山の魅力を何倍にも感じられると思います。
下から見上げる山頂や途中の山小屋が連なって見えるのも確実に登っていることを実感できるので大きな目安となり希望となります。
雲の下にいたり、上にいたりするのを実感できるのも楽しいです。
山頂付近でも日中は晴れていればTシャツでいられるくらい暖かく快適です。
【日帰り登山の持ち物リスト】
ちなみに私が富士山日帰り登山の持ち物として持参していたものは
★カッパ
☆フリース(曇っていた時用)
★帽子
★サングラス
☆ロングスリーブ、グローブ(日焼け対策)
★ダブルストック=登りで使う人もいますが、下りの体重の負荷が掛かるのでそれを軽減するために私は下りで使っていました。そういう人もけっこういます。(登山口で木製の金剛杖を購入して各山小屋で有料で記念の焼き印を押してもらうことも出来ますが欠点としては長さが変えられないのと握りづらい点が挙げられます)
★食料と飲み物
世界遺産登録前の話ですが私の場合、車で東京を早朝に出発して登山口到着前にコンビニで弁当、おにぎり2個、バナナ2本、チョコレートなど買い込んで、登山口で弁当を食べてから出発して各山小屋で食料をひとつずつ消費していく感じでした。そのくらい登山をしている時はお腹が空きます。私の場合はお腹は空きますが水分はそれほど摂る方ではなく500㎖のペットボトル2本だけで下山まで持ちます。下山までと言うよりは山頂でほぼほぼ食料はなくても大丈夫かなと思います。非常食としてチョコレートなどはほんの少しだけ多めに持っておいても嵩張らないしカロリーが高いので何かの時にはとても役立ちます。飲み物は全ての途中の山小屋で手に入るので適量を持参してあとはその都度購入が最適です。水やポカリスエットなどの飲み物は頂上に近付くほど高くなり500㎖のペットボトルで最高500円くらいすると思いますが体力温存のために飲み物など重いものは必要以上に持って行かないことが賢明です。
おすすめ登山道
須走口
スタート地点としては2200m地点から登り始めますがなだらかな登山道で8合目辺りで吉田口登山道と合流するまではかなり空いており登りやすい。
下山道は大砂走りと呼ばれる砂地が続くので足腰の負担が少なくて下りやすい。それこそ滑り降りるように山道を下っていける。かかとから地面に突き刺すようにして下りると体のバランスが保ちやすく、ブレーキが利いて歩きやすいが欠点としては靴の中に砂が入るので気になる場合は小まめに靴を脱いで砂を出すしかない。
富士宮口
スタート地点は2350mと河口湖口に次ぐ標高の高さで一気に登り始めるイメージで登山道の距離としては1番短いがその分、少しだけ勾配が急で登山道は岩がゴツゴツしているところが多い。メリットとして頂上に登ったところから剣が峰という富士山最高地点があるので体力と時間に余裕がある人は向かってみてください。須走口、河口湖口から剣が峰までは徒歩30分ほど掛かります。
(吉田口)河口湖口
ツアーバスの発着口でもあるので登山客に一番利用されている登山道。スタート地点は2400mですがスタートしてしばらくなだらかな下りが続きその後登り始める。登山道はなだらかな砂利道を登っていくため、一歩一歩がズルズル滑りやすい。同様に下山道もズルズル滑りやすいのでダブルストックで滑らないように対処するのがスムーズ。吉田口は大昔から使われていた1合目からも登ることができます。馬返しと呼ばれるスタート地点は御殿場口とほぼ同じ1450mで途中には以前使われていた山小屋など昔の名残りがあって風情のある登山道です。
御殿場口
スタート地点の標高が1450mと他の5合目登山口と比べてかなり低めでかなり健脚の方向け登山道です。須走口と同様に下山道にかなり長めの大砂走りがあります。ちなみに過去に全ての登山口から登っていますが他の3つの登山口は慣れてからはおおむね3時間~4時間くらいで山頂まで登っていましたが御殿場口だけは2回登っていますがいずれも7時間掛かっています。それくらい距離があります。下りは登りに比べて半分くらいの時間で下りられることが多いです。
その他注意点
持ち物のところでも書きましたが人によっては登りよりも下りの方が膝に負荷が掛かってキツイという人がいます。私もその一人ですが対処法としてダブルストックを利用して両足だけに負荷をかけない。もうひとつは下りで膝に負荷が掛かって痛みが出てくるようであれば靴の紐をキツキツになるまで縛ると靴の中で足がズレづらくなるので痛みを軽減するのに効果的です。
気候的には9月上旬まで入山可能ですが8月下旬に山小屋が全て閉鎖になるのでご注意ください。閉鎖のタイミングは毎年変わります。
2025年からは山梨県側と静岡県側でそれぞれ入山料を徴収することになるそうでいいことだと思います。安易な考えによる登山で遭難して多くの人に迷惑をかける人が少なくなるのとバイオトイレや登山道の整備にも貢献すると思うので。徴収したお金が国の税金みたいに無駄に使われることがありませんように!
それでは皆さま楽しい富士登山を体験してきてください!
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